HE★VENSの鳳 瑛一だ。
俺たちHE★VENSの楽曲は、
その時々によって複数のパートに分かれる。
「エンジェルズノート」は2手に分かれるパターンになっており、
出だしの部分やサビなど交互に歌うところもあるのが
俺も気に入っている点だ。
俺と同じパートには綺羅もいたのだが、
いつもながら「合わせる」という行為が非常に上手いと感心させられた。
俺たちは7人でHE★VENSだが、
それと同時にひとりひとりが唯一無二だ。
主張し過ぎず、かといって己の持つ個性を消し過ぎるわけでもなく
絶妙なバランスを保ったまま歌うのが実に見事だったな。
この綺羅の「誰かに合わせる」という性質は
歌以外の場面でも遺憾なく発揮されることが多い。
件のレコーディングの日も快適な環境を作ろうとしてか
知らぬ間にひとりきりで黙々とセッティングをこなしており、
俺も急いで手伝いに入った。
誰かを思いやり行動することが
素晴らしい行いなのは当然だ。
だが今回は俺たち全員の仕事なのだから、
皆に声をかけ協力し合うという方法を取るべきだろう。
綺羅には他者だけでなく自身を思いやってほしい。
そしてそれは、エンジェルにも当てはまる。
俺たちにとって何よりも大切な存在なのだから。
普段からできているエンジェルは
無論そのままで構わない。
非常に良いことだ。
だがもしなかなか手が回らないというエンジェルがいたら、
できそうなことから実践してみてはどうだろうか。
たとえば好きな歌を聴く、歌う、好きなものを食べる、飲む。
気に入っているものの写真を撮る、家族や友人と話す、
趣味に没頭する時間を少しでも設けるなど、
その他どんなささやかなことでもいいから
意識して取り組んでみてほしい。