HE★VENSの天草シオンだ。
「HE★VENS LOVE AFFAIR」の発売まで、あと2日となった。
ここのところ、天草も毎日12日が来るのを指折り数えていた。
他の皆もどこか浮き足立っている様子だ。
エンジェルも、楽しみにしてくれているだろうか。
そなたと心が通じ合っていることを、祈りたい。
当日と前日はあいにく仕事が立て込んでいるゆえ、
ヴァンの提案により今夜「前々夜祭」を執り行うこととなった。
今回のドラマの制作中はもとより、
天草は皆の手を借りることが多い。
せめてこんな時こそ役に立たねばと思い、
帰りに買い出しを行う役目を引き受けた。
夕食については綺羅と瑛二に、
食後の甘味についてはナギに教えを乞い、
どこで何を買うかは全て決めてある。
稀少なものの予約もなんとかこなした。
あとは、実際に訪れて予定通り買い求めればよい。
少々遠方の店があり、想定より
時間がかかるかもしれぬということだけが
心配の種だったのだが、先程それも無事解消された。
他に買いたいものがあり目的地が同じであるゆえ
共に車で向かおうと、瑛一と大和が声をかけてくれたのだ。
その申し出は、ありがたく受け取ることにした。
とはいえ、ここで2人の世話になっては元も子もない。
天草が先導して事を進めていくのが肝要だ。
今一度、この後の行程を復習しておきたいと思う。
#天草シオン
序奏
HE★VENSの天草シオンだ。
エンジェルからの言葉を受け取るたび、
心は喜びで満ち溢れる。
多くの時間を費やして天草のことを考えてくれた。
それだけで我は誰より幸福になれる。
限られた中ではあるが、精一杯答えを贈りたい。
天草からは、「役作りについて」の諸々を述べようと思う。
今回の役は鳥類研究を主とした動物学者だ。
演じるにあたり、様々な下調べを行った。
数多の書物を紐解き、電子の海で最新の情報に触れる。
講演会へも参加させてもらったのは良き思い出だ。
調査を手伝ってくれたのは主にナギだ。
それ以外の皆も様々な形で力を貸してくれた。
どれだけ感謝しても足りぬ思いだ。
ドラマの中では、晴れて恋人同士となったエンジェルと
連れ立って出かける様子も描かれる。
撮影場所の下見には、天草のみで赴いた。
今そなたが共にいたならば。
胸の内に宿るエンジェルに何度も確かめることで、
改めて多くの答えを得ることができた。
時間をかけてゆっくりと歩み寄り、
互いの中に己と重なるところを見い出していく。
その内気づけば、どんな時も離れがたくなっている。
それが天草の思う愛の形である。
せっかくの機会ゆえ、
ドラマの内容に関連した土産も買い求めた。
撮影の時にはそれが守りとなり、
我のことを支えてくれた。実にありがたかった。
高揚
HE★VENSの天草シオンだ。
「HE★VENS LOVE AFFAIR」のジャケットは
目にしてくれただろうか。
幾つもの眩い光の粒は、
壁一面に吊るされたライトがもたらしたものだ。
輪郭をぼやけさせるようにしながら
とりどりに柔らかく淡く輝くさまは、
幻想的な眺めであった。
休憩時間もひとり光を眺めていたら
瑛二が様子を見にやってきて、
飲み物を手渡してくれた。
さらに、天草がこの景色を好ましく思ったことを話すと、
家でも試してみるのはどうかと言ってくれたのだ。
瑛二の優しき言葉たちに心躍ったおかげで、
その後再開された撮影も順調に進めることができた。
愛するエンジェルとの共同生活。
否応なしに期待は膨らみ、
胸の高鳴りが抑えきれない。
知らず知らずのうちに
想いが溢れていく。
そんな眩しい心模様を示すために、
片目をつぶってみた。
天草にとってはやや珍しい表情だが、
そなたの目にはどう映っただろうか。
少しでも気に入ってくれたなら嬉しい。
賜物
HE★VENSの天草シオンだ。
皆で仕事に向かう前、
祝いの言葉と共に贈り物を授かった。
包みを開いてみて、我が目を疑った。
いつぞや天草が失くしてしまったものが、
再び手元に返ってきたからである。
思わず声を上げた我に、
皆は少し済まなそうな顔で
全く同じではないとの謝罪を口にした。
しかし、そのようなことは
最早問題ではなかった。
皆が手渡してくれたのは、
我のためにと同じものを追い求めた
その優しさなのだと感じた。
天草は、生まれいでし日に
真に素晴らしきものを受け取った。
この贈り物は二度と置き忘れることの無きよう、
今も大切にこの身にまとっている。
エンジェルが我にもたらすものも、
永久の輝きを有している。
愛に満ちた祝いの言葉。
「黎明drops」について綴ってくれたものもあった。
どれを読んでも、喜びに堪えない。
天草の胸の中は、温かな光で溢れている。

そなたのため、この先どこまでも歌を奏でていきたい。
柔和
HE★VENSの天草シオンだ。
歌は人により感じ方が異なる。
心に留まる場所や良き面もまた、
我と他の皆とでは違いが出ることもある。
先日互いに感想を伝え合った際に、
そのことを改めて感じた。
ならば、楽曲の魅力をより伝えるためには、
自身以外の者からも語った方が良いのではないか。
そんな話になり、執筆の順番と共に
誰がどの曲を紹介するのかくじを引いた。
我が最初になってしまったことには少々不安を覚えるものの、
これもHE★VENSのため。
何とか無事やり遂げたいと思う。
天草が綴るのは瑛二の「宵闇Secret moon」だ。
流麗に透き通り、時には微かに囁くような歌声が
瑛二の優しき心をよく表している。
先だっての「One Day」の収録にて
天草が楽譜で指を切ってしまった際も、
すぐに絆創膏を渡してくれたのは瑛二だ。
その後も何くれとなく、細やかに気を遣ってくれた。
曲の最も盛り上がる場所へ向かう前、
高き声音が綺麗に伸びるのが美しい。
その甘く柔らかな響きは、
毛布にくるまれた時の温もりのようだ。
とても心地よく、落ち着いた気持ちになれる。
曲の終わりの一言が、胸を打つ。
瑛二のエンジェルへの深き想いがよく感じられる
素晴らしき部分である。
エンジェルもそれぞれの気に入りの部分を
見つけてもらいたい。
